変形性膝関節症の疑いは原因の特定と治療方法の把握が肝心

60歳女性に多く見られる「膝の痛み」の元凶を特定しよう

胸を押さえる人

年齢を重ねると「疲れやすくなった」「代謝が悪くなった」「だるさを感じる」など、体のあちこちに不調を感じることが多くなるとか。特に40歳、50歳をすぎて60歳に突入すると、原因の分からない症状に悩まされています。

60歳女性に多いのは「膝の痛み」

階段の昇り降りがきつくて耐えられません(64歳/女性)

膝の違和感を覚え始めたのはちょうど2年ほど前。初めの内はしびれるぐらいの痛みでしたが、最近はどんどん痛みの頻度が増えて階段や長時間歩くことが難しくなりました。何をするのも億劫になってきて、ストレッチや柔軟体操をしながら誤魔化しています。

立ち座りするだけで痛くて辛いです(62歳/女性)

最初に痛みを感じ始めたのは、58歳前後。最初はピリッとするような痛み程度でしたが、そのまま放置して数年後痛みが悪化しました。最近は立ち座りするだけでも痛く、ひどい時は足首が腫れていたり熱をもっていたりすることもあるので、病院で見てもらうことにしました。

膝は足の曲げ伸ばしをする時はもちろんのこと、段差を歩く時には負荷がかかるので痛みや腫れなどの違和感が出やすい箇所です。また、適切な対処をせず、放置しておくと症状が悪化する人がほとんどなので、原因を把握して正しい対処をすることが必要です。

初期症状で発見しておきたい!膝の痛みの原因

日常で膝の痛みを感じるという人は、特に思い当たることがなくても何らかの病気が関係している可能性も考えられます。特に下記のような症状が見られる場合は、関節が炎症を起こすことで起こる変形性膝関節症の疑いがあるかもしれません

  • 膝の裏がつっぱるような違和感がある
  • 動かすとチクッとするようなしびれ・痛みを感じることがある
  • 足の曲げ伸ばし、しゃがむなどの動作がしづらい
  • 膝に水が溜まりやすい(溜まっていると診断された)
  • ウォーキングなどの軽い運動の後にだるさを感じる

これらの症状は、変形性膝関節症の初期段階に該当するものです。当てはまる箇所が多い場合、早い段階で病院へいき、検査と医師の診断を受けた方が良いでしょう。変形性膝関節症は、放置するとどんどん炎症レベルが上がるので痛みや腫れなどの症状が悪化します。そのため、疑いがある時点で対処することが懸命です。

変形性膝関節症とはなにか?

膝の関節は、加齢による老化、体重による負荷、外部からの衝撃などが蓄積し、年齢を重ねるごとに徐々に傷んでいきます。このように自然な老化現象の一つとして起こる膝の障害を「変形性膝関節症」といいます。

引用元:ひざの痛みの全てが分かる総合情報サイト

関節には、クッションの役割をする軟骨という部分があり、衝撃や重さを吸収してくれているのですが、これが長年体を支え続けたせいで、すり減って関節が変形してしまい痛みが出たり、腫れたりするのです。

引用元:はじめてのグルコサミン

変形性膝関節症の進行度は一般的に前期、初期、進行期、末期の4段階に分けられます。
前期・・・軟骨が変形し、衝撃吸収が低下する
初期・・・関節軟骨がすり減り始める
進行期・・・膝の変形や脚などが見立つようになる
末期・・・関節軟骨が完全にすり減ってしまう

引用元:変形性膝関節症はこうして進行

変形性膝関節症は、60代になると多く見られ、加齢によりその発症リスクが高まります。実際、一般人を対象にした疫学調査でも、60代女性に約4割、80代になると約6割という高い確率で発症しているデータが出ています。

こんな人は要注意!変形性膝関節症になりやすい女性の特徴

男女

変形性膝関節症は、歳を重ねれば誰でも発症リスクが高くなるものではありません。むしろ、身体的な特徴によってかかりやすい人・かかりにくい人に分かれます。特に気をつけておかないといけないのは、「太り気味」「O脚」。「太り気味」や「O脚」は、膝の内側に負荷がかかりやすく、変形性膝関節症の一番多い発症事由に当てはまるからです。膝に負担をかけて症状を悪化させないためにも、こうした身体的特徴は改善させることが必要です。

変形性膝関節症だったら・・・覚えておきたい検査と治療の選択肢

膝の痛みが変形性膝関節症の疑いがある場合、早期検査と治療を受けることが大切です。早い段階で症状の原因を理解し、正しい対処を行なうことにより膝の痛みは改善する可能性が高まります。

変形性膝関節症の検査

問診
生活状況を把握し変形性膝関節症のリスクがないかを確かめます。問診項目の中でも特に重点的に見られるのは「普段の歩行スタイル」「過去の病気やケガの経歴」「家族内に変形性膝関節症がいないかどうか」の3つです。
検査
骨や関節の状態を確認する検査を行ないます。
・X線検査
・関節液検査
・血液検査
・MRI検査
上記のような検査が行なわれるのが一般的で、症状や状態、病院で行なえる検査項目によって変わります。

変形性膝関節症の検査で注意しておきたいのは、検査では発見できない原因があるかもしれないということ。痛みがないのに変形性膝関節症と診断されることもあれば、その逆もあります。これは、問診と検査だけでは分からない炎症の原因が見られることや痛みが症状の進行が千差万別であることが挙げられます。検査結果に不安がある場合は、他の病院でも検査を受けておくこともひとつの対策です。

治療の選択肢~保存療法と手術療法の違い~

変形性膝関節症であることが診断された場合は、保存療法や手術療法といった方法で治療が行なわれます。治療は検査結果により選択されることが多いので、先に内容を把握しておくと安心です。

保存療法
保存療法は主に初期症状で行なわれる治療法で、いくつかの方法があります。メインの「生活環境の改善」では膝関節へ負担をかけないような生活を心がけ、体重が重い場合には食事や運動を見直して肥満を解消することで膝への負担を減らします。その他、「運動療法」によって足の筋肉を鍛えることも効果的で前期や初期ならこの2つの治療法で症状を改善することができるでしょう。ただし、症状が進行している場合や改善が見られない場合には、これら2つの方法に加えてヒアルロン酸の関節内注入のように薬物を使用した「薬物療法」や膝関節をサポートする道具をつける「装具療法」、温泉などを利用する「物理原法」を状況に応じて行なわれます。
手術療法
保存療法のみでは改善の難しい段階になった変形性膝関節症は、手術療法を行ないます。手術療法にはいくつかの種類があり、「高位脛骨骨切り術」と「人工関節置換術」がよく行なわれています。高位脛骨骨切り術というのは関節内に人工物を入れず、もともとの膝関節の変形を矯正する治療法です。関節の動きがよくなり、労働にも耐えられるというのが魅力です。最近では術後の早い段階で歩行ができるような手術方法も開発されています。高位脛骨骨切り術が難しいほど症状が進んでいる場合には人工関節置換術を行ないます。人工関節置換術では、関節の表面に人工物を被せて痛みを減らすという治療法を行ないます。社会復帰が早いのが魅力です。どちらも効果的な治療法で長い歴史があります。

理学療法士からのワンポイントアドバイス

保存療法ではリハビリがとても重要になります

変形性膝関節症を保存療法で受ける場合は適切なリハビリを受けることが重要になります。リハビリでは主に筋力訓練と可動域訓練を行ないますが、あまり負荷をかけてしまうとマイナスに作用する恐れもあります。医師の指示に従い正しくリハビリを行なうのが良いでしょう。

手術を行なって調節的なアプローチも大切ですが、前期や初期の段階なら運動や栄養摂取など日常生活に密接した保存療法を効果的に取り入れることが大切です。膝の痛みが心配になったことを機に、生活スタイルや食事などの見直しをして健康的な体にしていきましょう。

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